ホストOSに開発ツールをインストールしないという選択肢
今、MSDN OSを使用しているのは、
- Visual Studio with MSDNが比較的高かった
- 相対的にMSDN OSが安かった
- プロジェクトで採用するVisual Studioのアップデートが見送られていた
- 並行開発している複数製品向けのコンポーネントを開発していた
という事情があった。
「小ロットのハードの会社だから、ソフトの開発ツールに金が掛かり過ぎると開発費を回収できなくなる」
のも大きい。
その後、
- Visual Studioは下がり
- MSDN OSは上がってきた
- MSDN OS廃止
ということで、めでたくVisual Studio with Professional移行というのは過去記事に書いたとおり。
さて、並行開発はロクな事がなくて、
という段階で、
「下手を打つとOSクリーンインストールする羽目になる」
のに、
- 昔開発したバージョンでもデバッグ・・・
とかなると
「自殺行為に近い」
おまけに、
- 日米以外で国際化対応絡みのクレームがあったら直ぐに環境立てて調査
とかなってくると、
- バージョン管理ツールは、VisualSourseSafeからSubversionへ移行
- Issue管理は、独自システムからRedmineへ移行
ということで、チーム開発でMSDNを揃える必要性は現時点でない。
しかし、開発中のソフトウェアによる環境汚染(レジストリとか諸々)は深刻なので、MSDNライセンスで仮想環境を立てて、ホストOSを汚さないという選択肢が、非常に現実的だったりする。
あたりが妥当な線だが、デバッグ専用なら、
- 自分のセカンドPCで仮想ディスクイメージを使用してOS(ローカルの物理OSE)を起動(VHDブート)
というのも悪くは無い。
もっとも、MSDNはライセンス条項でいろいろ縛りがあるので、
- MSDNでセットアップしたOSEは実運用環境で使用できない
- MSDNでセットアップしたOSEには、MSDNのライセンスを持たない人にはアクセスさせない
- MSDNでセットアップしたOSEには、MSDNのサブスクリプションレベルの足りない人にはアクセスさせない
という配慮は必要になってくる。
環境構築は、VHDブート可能なOSを使用して構築している。
- リリース版評価用に、必要なバージョン/言語のOSを仮想ディスクにセットアップ
- 仮想ディスクをコピーして、開発環境をセットアップ
- 複数バージョンのVSが必要なら古いバージョンから
あとは、VHDブートをしたいなら、この仮想ディスクをセカンドPCにコピーして、ブートマネージャに登録してやる。
必要なマシンスペックは以下を参考にすると良い。
- OS: 64bits
- 仮想環境に2GB以上メモリを割り当てるなら32bitsでは足りない
- CPU: Core i7かXeon
- Memory: 16GB以上
- 仮想環境に4GB以上メモリを割り当てるなら8GBでは足りない
「ホストOSに開発ツールをインストールしない」
というのは、極端な話でエディタぐらいは入れていても良いが、これをやってみて思わぬ副作用があった・・・
PCを更新したときに、仮想ディスクをコピーして仮想マシンをセットアップしたら、ホストOSの環境構築をやりながら開発業務を続行出来た。
まあ、
「Visual Studio Onlineとかやってる人たちからすると、威張るほどの事じゃないけど」
「まだまだサブスクリプション方式のオンラインサービスより、リース・レンタルでハード調達する方に理解がある企業も多いんで・・・」